5月主題 讃嘆(たたえます)
「仏さまを讃える」というのは、具体的にはどのようなことでしょうか。それは、子どもたちの行動面で言うと、先ず口に「なもあみだぶつ」と称え、身体で仏さまを拝むことです。この場合、讃えるということは「ほめる」ということと同じ意味ですから、子ども達の心に、いつも仏さまをほめる対象として意識付けすることから始めたいものです。
一般に、他をほめるということは簡単なことのようですが、自己中心性の強い幼児期には、自然とそれを行うのはなかなか難しいようです。けれども、お参りの中で『“なもあみだぶつ”と声に出して称えることは、仏さまをほめていることなんだよ」と、いつも自分のしていることの意味を教え、更にそれはとても素晴らしいことなのだと、繰り返し話し聞かせていくと、やがて子どもたちの中に少しずつ、他を認めそれ素直にほめることのできる豊かな心が培われていくものと期待されます。また、それは子ども達にとって身近なところで言うと、朝、先生や友だちに会った時、自分の方から元気よく「おはようございます」と挨拶することがそれに当たるということを教えたいものです。
このようなことを踏まえて、仏さまにお参りする時は、厳粛な雰囲気の中で、静かに心を落ち着けて、それがたとえ短い時間ではあっても、姿勢を正して敬いの気持ちを保ちながらお参りが出来るような雰囲気作りを心がけていきたいものです。その繰り返しの中で、子ども達はやがて仏さまを尊い存在として意識し、他の人たちを認め、心からほめたり、進んで挨拶をすることができるようになって行くものと思われます。
「なもあみだぶつ」という仏さまは、私が願うに先立って、しかも願うと願わざるとにかかわらず、また拝むと拝まざるとにかかわらず、常に私たちに「念仏せよ、救う」とよびかけていて下さいます。振り返ってみますと、私たちが救いを求めるのは、いつも他人と比較して自分に不平不満を感じた時ですが、仏さまは「自分が、この人生の主人公として生きて行くことに、勇気と誇りを持って生きていける私」に目覚めさせ、完全ではない私のことをそのまま、あるがままに認めて下さいます。私が称えている「なもあみだぶつ」とは、仏さまが私の上に現れて、私の声にまでなってこの私をよんでいて下さる声なのです。私が仏さまをほめる、それがそのまま仏さまからよばれている事実と重なることの意義深さを味わいながら、子ども達と元気よくお念仏を称えたいと思います。
年長組
○「降誕会」の行事を理解して、お参りをする。
○自分で考え、進んでしようとする気持ちを持つ。
○春の自然や動植物の様子に興味をもつ。
〇保育者や友達と一緒に食事をいただく喜びや楽しさを味わいながら、食べ物への興味・関 心を養う。
年中組
○降誕会やご命日参拝について知り、静かにお参りをする。
○友達や教師とかかわりながら、好きな遊びを見つけて楽しむ。
○身近な動物や草花などに触れ、親しみをもつ。
年少組
○降誕会やご命日について知り親しみをもつ。
○身近な動物や植物に触れ、親しみをもつ。
○保育者や友達と一緒に喜んで食事をいただく。
満3歳児
〇新しい環境や保育者に慣れ、安心して、生活したり遊んだりする。