保育カリキュラム

4月主題  信順(おがみます) 

仏さまのみ教えを信じて、それにしたがうことを「信順」といいます。これを子ども達の行動面で具体的に表すと「仏さまを拝む」ということになります。子ども達は園での「おまいり」の中で、仏さまに合掌し「なもあみだぶつ」とお念仏を口に称え、礼拝をします。この合掌・礼拝の意味をすぐに理解することはできなくても、繰り返し仏さまを拝むことを通して、やがて無意識の内に「仏さまとは本当に尊い存在なのだ」という敬いの心が芽生えていくように思われます。

一般に、私達は自分にとって何かしらの利益をもたらしてくれるものでなければ、なかなか素直に頭を下げようとはしないものです。ところが、子ども達はお参りをする中で、自分に何らかの利益をもたらしてくれることを期待する取引の相手としてではなく、尊く敬うべき存在として仏さまに手を合わせ、念仏を称え、頭を下げています。また、讃歌を通して「見ていてね♪」「聞いててね♪」と元気よく口ずさみながら、あるいは「仏さまのお話をよく聞いていつも仲良く遊んでいます。いつでもどこでもそばにいて下さってありがとうございます。今日も元気に集まってみんなでお勤めいたします。」という奉讃の言葉を聞くことを通して、夜・昼いつでも自分を見守っていてくださる、とても身近な存在として仏さまを感じ、「なもあみだぶつ」と呼びかけています。

聞くところによりますと、船を造る時に一番大切で同時に難しいことは、転覆しそうになった時に元に戻る力、いわゆる「復元力」をつくることだそうです。人間は、条件さえ揃えば何をしてしまうか分からない危うい存在です。何が待ち受けているか分かりませんし、自分本来の生き方さえ見失うこともあります。そのような私達を「まことのいのちに目覚めさせずにはおかない」というのが、仏さまの尊い願いです。この願いに目覚めると、どんなに困難な状況に陥ったとしても、あるいは自分のあるべき姿を見失いかけたとしても、必ず仏さまは、私を本来の姿に導く復元力となってはたらいて下さると言われます。

人間は悲しみや苦しみの事実によって潰れるのではなく、世界中で誰一人自分を分かってくれる存在がいないと感じた時に心を閉ざすのだと言われます。子ども達が、いつでもどこでも自分を見守ってくださる存在として仏さまを身近に感じ、「自分は一人ではない」という喜びの中で過ごせるように育んでいきたいと思います。

年長組

〇進級を喜び、自覚をもって合掌・礼拝する態度や習慣を身に付ける。
〇「花まつり」の行事を理解してお参りをする。
〇友達とやりとりをする中で、相手の気持ちに気付けるようになる。
〇自分で考え進んでしようとする気持ちをもつ。

年中組

〇合掌・礼拝の態度や習慣を身に付ける。
〇新しい環境に慣れ喜んで登園する。
〇園生活の流れを掴み、生活に必要なことを自分で順序よく行う。

年少組

〇合掌・礼拝の仕方が分かり、喜んでお参りをする。
〇教師や周りの友達と親しみをもって過ごす。
〇心安らぐ安全な空間で安心して過ごす。

満3歳児

〇合掌、礼拝の仕方を知る。
〇教師に親しみ、喜んで幼稚園に登園できるようにする。
〇教師や友達にあいさつをする。