今日の笑顔

トンボの気持ち

夏休みに入って7月のある日の朝、職員室にいると子どもたちが呼びに来ました。
「先生、トンボがいる!!」「どこに?」「水道のとこ!」早速行ってみると、トンボが窓ガラスに向かって体をぶつけていました。「このままではかわいそうだね、採ってあげよう!」そう言って、子どもから借りた帽子で包むようにして採り、指先でつまんで子どもたちに見せました。
「ぼくも見せて・・、私も。」子どもたちの関心は高まったようです。
空にかざしたトンボの体には黄色く走るいくつもの帯や、シマ模様の羽、目玉の色、柔軟な体。子どもたちの気付きをうながしながら一緒に見ました。その時です。手を出してトンボに触ろうとする子どもがー。
「触らないでね、トンボを見てごらん。体が震えているのが見えるかな?」「・・・うん!え?!!(外の子どものまなざしも)」「トンボさんは怖がっているんだよ。だから、先生もそっと、そっとつまんでいるんだよ」そう言っていると、「先生、もう逃がして」懇願するようにある子が言いました。「そうだね、もうよく見たでしょう。じゃ、逃がしてあげるから、みんなでお別れしよう。」そういって、みんなでトンボを見送りました。指に伝わった震えるトンボの動きは、トンボの気持ちも伝わったようで、貴重な体験になりました。